人の意識について
皆さんは人の人生、最初から決められていると思ったことはないでしょうか?
意識して動いているようで、それは実はすべて無意識の仕業、意識しているという錯覚だったとしたら・・・
ここで一つある実験結果についてのお話をします。
例えば、目の前にあるコップを意識的に手にとろうと意図し、実際に手に取るという行為。これを、神経生理学的に説明しますと、まず、コップを取ろうという「意識」により、その指令が脳(随意運動野というところ)に伝わり、「無意識」のスイッチが入り、運動準備電位(運動の準備を無意識に始めるときの脳内の指令信号)が生じ、腕や指が動きコップを手に取る。これが一般的に考えられる神経伝達回路です。つまり、コップを取ろうという意識が先で、その後に「無意識」がきて運動準備電位がくるというのが誰もが考える順番ではないでしょうか・・・
しかし・・・
実験結果はこうだ!(どのように実験したかは省きます)
なんと、「無意識」下の運動準備電位が生じた時刻は、「意識」が「意図」した時刻よりも0.35秒早く、実際に腕や指が動いたのは「意図」した時刻の0.2秒後でした。
腕や指が動くのが「意図」よりも遅いというのは予想通りですが、運動準備電位が「意図」よりも0.35秒早いというのは衝撃的な結果です。
話が難しくなりましたが、簡単に言いますと、心が「動かそう」と思うのが全ての始まりではなく、それよりも前に、無意識下の脳で、腕や指を動かすための準備が始められているのです。「自分」が「意識」するよりも少し前に、脳の中の小びとたちは既に活動を開始しているのだ。言い換えれば、「意図」していると「意識」することを人に感じさせる脳の部分は、脳内の小びとたちの活動結果を受けとって、自分が始めに「意識」したと錯覚している、とこの実験結果から考えるしかありません。もっというと、自由意思というものが本当に人間にあるのだろうかと、考え込まざるを得なくなる実験結果である。
これはある本に書かれていた内容を紹介していますが、この本を読んで、自分が昔なんとなく思っていた、人の人生は最初から決まっているんじゃないか、ということが少し科学的な視点から考えることができ、言葉にできない不思議な感じになっているのですが・・・
かといって決して、どーせ人生決まっているからなんて思ってませんよ!
これはこれで、頭の片隅に置いといて、自分の中で意味づけしていくだけですから。
しかし、脳は深い。哲学的な考えも自然に湧き出てきてしまうので、深く考えるとこんがらがりますね~。だけど、最近は脳に対する関心が高まってきています。自分の脳を知り、自由自在に操ることができたらいいな~。
21世紀健康館 竹中