関節の痛みの正体
関節痛・・・年を重ねるにつれ多くの方が悩まされるこの疾患。特に膝の痛みを抱える方が圧倒的に多いですね。
関節といっても身体にはたくさんの関節が存在するわけですが、関節痛というと真っ先にイメージされるのはやはり“膝”となるわけです。そしてさらに、骨の軟骨が擦り減っている、変形している、骨と骨の間が狭くなっているといった状態をイメージされる方がほとんどだと思います。そうです、膝以外ではそんなイメージをもつ関節はないですよね?それくらい膝は負担がかかり骨も摩耗しやすいところなのです。
しかしここで大きな誤解?を招いているケースがあるわけです。それは・・・
骨が擦り減っている、変形している、骨と骨の間が狭くなっている=関節が痛む、関節痛だ!!
こう解釈してしまいますよね。仕方のないことです。悪い状態が明らかに目に見えるのですからそう思っても仕方ありません。自分もそう思っていましたし・・・
確かにこのような骨の状態になっているということはなにかしらストレス(負担)がかかった結果ですから望ましくない状態ではあります。
しかし、痛みの原因は意外と骨意外のところに存在しているのです
まず、1つ知っておいて頂きたいのが、膝の軟骨には神経は通っていないということです。ということは骨が擦り減ろうが、変形しようが痛みがでない・・・んなバカな・・・
と思いますよね。しかしこれは本当なんです。ちょっとおおげさに書きましたが・・・うそではないです。いや、う~ん。誤解を招かないように書けば骨で痛みを感知しているのではないということです。ちょっと分かりずらいですね(笑)
メカニズム的なことを説明しますと難しいため省きますが、膝が痛むというのは実は“骨”ではなくその周りを囲む靭帯や関節包(伸びる靭帯のようなものだと思ってもいいかな)、そして筋肉や腱が痛みを感知しているのです。この組織にはしっかり痛みを感知する受容器がありますから、問題があればこの組織のいずれかが痛みを感知しますし、そしてそのような組織そのものが問題を起こし痛みとなっているケースが非常に多いのです。具体的に言いますと筋肉、腱、関節包、靭帯などの緊張や癒着が痛みの原因となり、さらに股間節などの他の関節の問題から影響をうけていることもあるのです。もちろん骨の変形により炎症が起き、痛みがおきるということもありますが、変形そのものが痛みとなっているのではありません。
健康館では、そのような筋肉、腱、関節包、靭帯にアプローチしていきますので、そのような組織の問題は改善が期待されます。それによる痛みは改善します。そしてたとえ骨が変形している状態や炎症により水がたまる状態であっても諦めないで頂きたいですね。問題はなぜ変形したかということです。
骨が変形するということは何かしら不自然なストレス(負担)がかかり続けているのです。その原因としては骨のズレ、筋力低下による関節の不安定性、筋肉や関節包などの緊張や癒着といったものが“不自然な関節の動き”を引き起こしその結果、関節軟骨に負担がかかり徐々に変形していくのです。その“不自然な関節の動き”を“本来の正しい動き”にできるだけ近づけていくことが治療の最大の目的となり、より根本的なケアとなるのです。逆に言えばそのような状況を改善させなければ薬や注射も対症療法となってしまうかもしれません。
長々と書きましたが、何が言いたいかといいますと・・・痛みの改善を諦めないで頂きたいということです。特にレントゲンなどの画像として悪い状態が写しだされると、あーこれが原因か~。こりゃしゃ~ないな~。年だし・・・こりゃ手術せな治らんわ~・・・こう思っている方も少なくありません。レントゲンで骨の状態を把握しておくことはとても大事な事です。しかし、この痛みはこうだから・・・しょーがない・・・などと思いこまないで頂きたいということです。思い込みによる痛みの悪循環ということも結構あるような気もするのです。
まずは痛みの原因を知る事。 そして痛みの原因を取り除く事です。
理論的なことをえらそうに書きましたが・・・身体と言うのはそー簡単ではないです。
さらなる知識、技術の向上を健康館一同努めてまいります。
身体のトリビア 竹中