行動の伴った言葉を。黒木さん家の芝桜。
2017/12/02
先日、ある番組で、宮崎県にある黒木さん宅の芝桜について
特集されておりました。
ご覧になられた方、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。
お庭だけでなく、敷地いっぱいに毎年咲く個人宅の芝桜をみに、
毎年全国各地から、海外からもたくさんの方が訪れます。
芝桜が咲く光景が素晴らしいから、という理由で訪れるのではなく、
この背景にあるストーリーに足を運ぶ人がほとんどだそうです。
黒木夫妻は、お見合い結婚で、夫婦二人三脚で苦しい時も厳しい時も
笑顔で支えあい助け合って生きている中で、あまりに忙しすぎた結果。
奥様が突然失明したそうです。
奥様は自分のせいでご主人に迷惑をかけたと思い、
ご主人は忙しすぎて、大切な人の変化にも気付けなかったと落ち込みました。
お互いを思いやったのに、すれ違う日々のなかで
それまでの奥様の笑顔は消え、落ち込み、生きる気力さえも失いました。
そんな中、ご主人が奥様の笑顔を取り戻したい一心で、
すべてをかけて取り組んだのが芝桜を育てること。
芝桜を育てれば、人が集まる。人が集まれば、奥様も元気になるかもしれない。
そう考えたのですね。
そこでご主人は、一本ずつ木を伐り、土地を耕し、
はじめは小さな範囲から、徐々に家を取り囲む範囲にまで広げ、
一人二人と人がそこに集まり始めたのが約4年後。
その時間のなかで奥様の心も溶けていき、笑顔が戻ったようです。
愛している、という言葉はないものの、行動で示し続けたご主人の愛の結果。
今では、たくさんの方が立ち寄り、ともに喜び合う場になっているようです。
言葉はとても大切です。
そして、行動はさらに大切です。
最後に奥様が一言。
「わたしには見えないけれど見えています。心の中でしっかりと見ています。」
夫から妻への愛の証は、20年以上経ったいまも
鮮やかに優しく、多くの人を包んでいます。
私たちが忘れかけている大切な在り方を教えてくれている、
そんな気がしました。
杉山