適度な刺激に反応できますか??
何かにつけて、強い刺激を求めてはいないでしょうか?
例えば、健康館で強く押してもらった方が効くと思っている。
例えば、唐辛子や砂糖などを必要以上に食べたくなる。
例えば、筋肉が壊れるほど運動することが気持ちがいい。
好みの問題はあるかもしれませんが、
身体のことを考えたときに、ちょっと行き過ぎているかもしれません。
「アルント・シュルツの法則」というのを聞いたことはありますか?
「アルント・シュルツの法則」は
ルドルフ・アルント(グライフスヴァルト大学精神医学教授、1835年~1900年)と
フーゴー・シュルツ(グライフスヴァルト大学薬理学教授1853年~1932年)らが
定式化した調節原理です。
「アルント・シュルツの法則」とは
微量の刺激は生命活動を活発化させ、
中程度の刺激は生命活動を促進し、
大量の毒・大きな刺激は生命力を阻害する。
適量の酒は百薬の長となるが、
度を越した飲酒は主として肝臓にダメージを与えて、
アルコール性の肝炎、脂肪肝、肝硬変、
深刻な場合は肝癌へといたる場合もあるのです。
すべからく、身体に与えるものは
「過ぎたるは及ばざるが如し」と言えます。
鍼灸やマッサージの分野においても、
薬学の分野においても、食においても同様のことが言えます。
生命力を如何に妨げることなく、
その生命活動を活性化させ、
治癒能力を発揮させるかは
与える刺激が適切であることが重要になるのです。
このことを知っていると適切な薬の用量であったり、
針の数や刺す深さであったり、
マッサージの圧の強さであったり、
食事の一日の摂取量であったり、
様々な場面で生命力を阻害する刺激から
身を守ることができることに気づかれることでしょう。
健康館でいえば、強く押してもらえばもらうほど効いている
と感じる方が多くいますが、時によってそれは
よりこわばらせてしまうことになります。
今まで、「がっつりしっかり」とやってきた私たちが
真逆のことを言ってしまいますが、
やってきたからわかることもあるのですね。
これからは、少しずつ緩い刺激でも、
きちんと反応できる身体にしていく、ということも
大事にしていければと。
そして、「アルント・シュルツの法則」を思い出し、
この法則の何を言わんとしているかを
問いただすことを常に心がけていれば、
日々の生活にとても素敵な効果をもたらす
といえるのはないでしょうか?