本当はこわい!?強く押すとよくない理由
最近の雨の降り方はスゴイですね(^-^;
ポツポツときたら、一気にザザーッと
バケツをひっくり返したような、
気候が変わってしまったような降り方ですよね。
今年最大の台風も週明けに上陸するようです。
お出掛けの皆様はどうぞお気を付けくださいね。
肩や腰が凝ったとき、強く押してもらわないと効かない!
そう思われている方も多いと思いますが、
実はそうではないのですね。
肩が凝っている部分に触れると、
他の部分とは違った固〜い塊があります。
この塊の正体は、過度に緊張した筋肉です。
筋肉は縮んで緊張することでパワーを発揮し、
我々は体を動かすことができます。
力を緩める時は、筋肉は緊張を解き、
しなやかに伸びなければなりません。
しかし、何らかの原因で、一部の筋肉の緊張が
解けなくなった状態が続くと、コリになります。
コリができると、次のような影響が出てきます。
まず、コリは、筋肉が過度に緊張し、
グイーッと力が入り続けている状態です。
そのため、血管が圧迫され、血流が悪くなります。
力んだ状態が続くので、乳酸やリン酸などの疲労物質がたまり、
ダルくなってきます。
さらに、緊張が続くと、筋肉の組織が壊れ始め、
ブラジキニンなどの痛みを生み出す発痛物質もたまってきます。
本来ですと、血液が、これらの疲労物質や発痛物質を
流し去ってくれるのですが、過度の筋緊張によって
血流が悪くなっているため、流れていかず、
どんどん溜まっていってしまいます。
結果、ダルさや痛みが増します。
筋肉は、痛みがあると防御反応で緊張し、
より硬くなることがわかっています。
つまり、『筋緊張→血流悪くなる→疲労物質・発痛物質が溜まる
→ダルさや痛みが強くなる→筋緊張が増す』といった
負のスパイラルが完成してしまうのです。
ここから抜け出せなくなった状態が続いているのが、
重度の肩こりなのです。
この、負のスパイラルに陥ったコリをグイッと押すとどうなるでしょう。
ただでさえ傷んでいる組織です。
これ以上の刺激はたまらないと、筋肉は防御反応で緊張を増し、
ますます硬くなります。
スポンジボールよりも、ゴムボールの方が押しやすいように、
筋肉は硬くなると、押しやすくなります。
押しやすくなるということは、考えている以上に
強い力を加えてしまう可能性が高まります。
そんな状態で、グイッと押し込むと、組織が壊れ、痛みが増します。
壊れた筋組織は、生きている限りは修復されます。
しかし、修復の時に繊維化という変化が起きて、
より固い筋肉になってしまいます。
「でも、押したら、楽になった経験があるよ!」と思われるかもしれません。
そう感じるのは、次の二つの理由によるからです。
一つ目は、強く押されて組織が壊れると、
それを修復しようとして、血流が増加します。
いわゆる炎症です。
血流が増加したので、疲労物質や発痛物質が流されていき、
一時的に痛みやダルさを感じなくなります。
二つ目は、組織が壊れると、痛みの信号が脳に伝えられます。
あまりに痛みの信号が強いと、脳がおかしくなってしまうので、
脳はβーエンドルフィンなどの脳内麻薬を放出し、
痛みを感じないようにします。
凝っているところを強く押して、『イタ気持ち良い』と感じるのは、
この脳内麻薬のせいだと考えられます。
この脳内麻薬、麻薬というだけあって、癖になります。
「もっと、もっと!」という状態になり、どんどん刺激は強くなり、
どんどん組織は壊れていき、ますます筋肉は硬く盛り上がっていきます。
一時的に良くなったような気になっても、すぐに元に戻ってしまう、
あるいは、よりひどくなっていく理由は、こういうところにあるのです。
心当たりがある方もいるかもしれません。
適切な圧で押されると「やってもらった感がない!」
「効いた感じがしない!」と初めはなってしまうかもしれません。
身体をよくしていこう!と思うなら、
適切な圧での施術が非常に大切です。