☆最近、メディアなどで話題になっている『筋膜リリース』の基礎原理とやり方☆
2018/03/14
最近、『筋膜リリース』といった言葉を聞いたり見たりしたことがあるという方も多いと思います。
僕がカイロプラクティックの専門校に入った約20年前、当時の学校の授業では筋肉、骨格、関節、神経に関するものが多く、あまり筋膜に着目されていなかったように思います。(カイロプラクティック自体が骨格のアジャストメント(矯正)を軸に発展した学問だからかもしれませんが…)
卒業数年後に受講した、アメリカでカイロプラクティックのドクター号を取得した先生のセミナーで初めて『筋膜リリース』を習ったのを覚えています。
そんな比較的新しい(?)概念である『筋膜リリース』ですが、最近では『腰痛』に効くとか『肩こり』に効くなどと、テレビの健康関連の番組や雑誌などでもよく取り上げられ、多くの著書も出版されています
この『筋膜をリリース(解放)する』というのはどういうことなのか
『筋膜リリースの基礎原理』をご紹介します
筋膜とは、その名前の通り『筋肉を覆っている膜』のことです。
筋膜は『コラーゲン線維』という棒状のタンパク質線維で構成されています。
コラーゲン線維は硬くて、伸びたり縮んだりすることがほとんどできませんが、配列を変えることで伸ばされた方向に長さを変えることはできます。
コラーゲン線維は
□運動不足で長時間筋膜に対する刺激が入らない
□偏った動きが続き硬直時間が長く続く
といった状態が続くと、徐々に線維同士が癒着し始めます。
この癒着は『クロスリンク』『架橋』とも言われています。
癒着が進めば筋膜は強張り、厚みが増して柔軟性が低下します。
筋膜は筋肉を覆っているので『筋膜』が硬くなれば、結果的にその中にある『筋肉』も硬くなっていきます。
筋膜リリースは、これらの硬くなった筋膜を、周辺組織と引き離す(リリース)することを目的とします。
【筋膜リリースの基本的な考え方】
筋膜リリースで最初に狙うのは『筋膜』そのものではなく、筋膜と筋肉及び皮膚をつないでいる『支帯線維(したいせんい)』と呼ばれる部分です。
(※下図の白い縦線が支帯線維です↓↓↓)
皮膚から筋肉までは、ミルフィーユのように表層から
①皮膚
②浅筋膜
③脂肪
④深筋膜
⑤筋肉
という構造になっています
このミルフィーユ状の層をその場に止めておくために各層の間に支帯線維が縦方向に走行しています
筋膜が正常で、強張ることもよじれることもなく存在している時は、きれいな支帯線維配列になっています。
しかし、筋膜が強張ってしまうと支帯線維が筋膜に引っ張られてしまい配列が乱れてしまいます。
筋膜と筋肉は『支帯線維』を通じて縦方向に関係性を持っているので、筋膜が乱れるとその下にある筋肉も乱れてしまいます。
ですから、先ずは筋膜と筋肉の連結性を正常化するために『支帯線維』を整えていきます。
これが『筋膜リリース』の基本的な考えです。
『筋膜リリース』の基本は『静的圧迫』と『筋肉の自動運動』で、『プレス&ムーブ』とも呼ばれ
①皮膚の上から筋膜を押さえる
②抑えた筋膜の下の筋肉をを動かす
ことが非常に重要になります。
※上から押さえて中身を動かすようなイメージです↓↓↓
❶静的圧迫
先ずは皮膚の上から優しく圧をかけます。
マッサージのように直接筋肉に圧をかけるわけではないので軽い負荷(手の重みをかける程度)でOKです。
❷自動運動
次に、その状態で押さえられている筋肉を動かします。
例えば、前腕部(下の写真)の場合だと、手のひらのグーパーをしたり、手首を大きく返したりする動きです。
そうすると、皮膚(筋膜)を押さえた状態で筋肉が動くので、その中間にある支帯線維にゆるみが生じてきます。
これによって、筋膜と筋肉がリリース(解放)されていきます。
マッサージやストレッチと筋膜リリースとの違いは
マッサージやストレッチでは、筋膜と筋肉に同様の負荷をかけていくことです。
●マッサージは、筋膜と筋肉を同時に『圧迫する』
●ストレッチは、筋膜と筋肉を同時に『伸ばす』
この観点で言えば
●筋膜リリースは、筋膜に『圧迫』をかけたまま筋肉を『伸ばす』
つまり、『マッサージをしながらストレッチを行う』というニュアンスで説明できると思います。
『筋膜リリース』は健康館でもよく使われるテクニックの一つで、マッサージやストレッチなど色々なことをやってもいま一歩改善しないというような時に『筋膜リリース』を試してみると、それまでに無かった変化がでることがあります
セルフケアとして行う『筋膜リリース』のやり方を、後日改めてご紹介させていただきま~す