☆『手の親指、人差し指、中指のシビレ』『手のひらの中指から親指側の感覚が鈍い』などの症状がある方へ☆
親指、人差し指、中指のシビレや感覚の鈍さといった症状を訴える方が時々来院されます。
最近では、美容師さんとデスクワークで一日中パソコン操作をされている方が上記のような症状で来院されています。
シビレや感覚鈍麻が出る原因には色々な原因がありますが、その症状の一つでもある『手根管症候群』について、その原因や対処法などをご紹介します。
【手根管症候群とは?】
手首にある『手根管』という筋肉や神経が通るトンネルが、何らかの原因により圧迫されて生じる手の障害です。
手根管の中には正中神経という神経が通っていて、この正中神経が圧迫されることで支配領域である手の親指、人差し指、中指にシビレや感覚の鈍麻といった症状が出ます。
ゴルフやテニス、野球など、手首を使うスポーツをする人や、パソコン操作、理容師、美容師、調理師、僕達のような手技療法を使った治療家など、手を酷使する仕事に従事する人、出産後で赤ちゃんを抱っこする機会が多い女性などに多く見られる症状です。
【手根管症候群の主な症状】
□手の親指、人差し指、中指側のシビレて、痛みを伴う
□手に力が入らなくなって、ペンを持ったり、ふたを開けるなどの動作が困難になる
□夜中や明け方に症状がひどくなる
□洋服のボタンを留めたり、小銭をつかんだりすることが困難になる
初期では中指にシビレが出ることが多く、進行するとともにシビレの範囲が広がっていきます。症状は時間帯や日によって変動します。
悪化すると、常にシビレが続いたり、親指と人差し指で丸を作るようなOKサインが出来なくなったり、指の感覚が鈍くなったり、親指の付け根の母指球と呼ばれる筋肉が萎縮して痩せ細ってきます。
【手根管症候群の原因】
① 指や手の使い過ぎ(オーバーユース)
手首や指の酷使によって手根管周辺の炎症が原因で症状が出ることがあります。
特に、ゴルフや野球、テニスなどの手首を使うスポーツをする人や、パソコン操作や美容師、理容師、調理師、手技療法家など、手を酷使する仕事をしている人に多くみられます。
また、手根管を通る筋肉の腱が炎症を起こし腱鞘炎になることも原因の一つに挙げられます。
② 手首の骨折や骨の変形によるもの
骨折後の骨の変形などによって手根管を圧迫してしまうことにより発症することもあります。
③ ほかの病気やホルモンバランスの異常
詳細な原因は明らかになっていませんが、甲状腺の機能障害や糖尿病、リウマチ、血液透析などの影響により発症することもあると言われています。
また、妊娠中や更年期障害によるホルモンバランスの変化も原因になったりします。
【医療機関での手根管症候群の一般的な治療法】
一般的に、病院などの医療機関では保存療法と手術の2種類の方法があります。
保存療法は手術などの外科的処置を行わず消炎鎮痛剤やビタミン剤などの飲み薬が処方されたり、サポーターや固定などで安静にして経過を観察します。
また、スポーツや仕事による手の使い過ぎによる症状が出ている場合は休止して手や指にかかる負担を軽減するよう指示が出ます。
腱鞘炎がある場合は、局所に注射をして炎症を抑えることもあります。
しかしながら、投薬や注射、固定などの保存療法では、圧迫している部分の根本の除去がなかなか難しいく、症状が長期化したり悪化することがあります。
手術は保存療法で経過を観察しても治らない場合や、筋力低下が顕著にみられ生活に大きく支障をきたしている場合などに行います。
【当院での手根管症候群に対する一般的な施術内容】
先ずは、問診や触診と下記の整形外科検査などを行い診断をします。
□チネル徴候
手根管の部分(手首の下のあたり)を指や打腱器という道具を使って叩くと指先にしびれが生じます。正中神経の圧迫部分を刺激することによって症状を誘発するため、この検査が要請の場合は手根管症候群の可能性が非常に高いです。
□ファレンテスト
両手の甲を合わせて下の図のように押し合います。手根管を圧迫することで症状を誘発するテストでしばらくしてから手にシビレや痛みが生じた場合は手根管症候群の可能性が高いです。
□パーフェクトOテスト
親指と人差し指でOKサインのように丸を作ります。正常の場合は右の写真のように円形を作ることが可能ですが、左の写真のように丸を作れない場合は異常となります。
手根管症候群の多くの原因は、使いすぎることによる肘から手首についている筋肉が過緊張することで手根管への圧迫を強めていることです。
上記検査結果に基づいて、過緊張している筋肉を緩和して、手根管への圧迫を取るようにストレッチや筋緩和操作、筋膜リリース、関節モビリゼーション、運動療法、テーピングなどを用います。
また、手首への負担を減らすためスポーツはしばらくの間休止することを勧めますが、仕事や子育てで手を使う人は休む訳にいかない人が多いと思いますので、手首への負担を減らすようなテーピングや自分でできるストレッチなども併せてご紹介しています。
医療機関での保存療法でなかなか治らないという方、諦めないでください!
手術を選択する前に、一度私たちにご相談ください。
手術をせずに改善するお手伝いができるかもしれません。