☆痛みと脳と感情の関係性 ~米ジョンズ・ポプキンス大学~ ☆
2017/12/02
今日は
思考(脳)や感情などのヒトの内面と
ヒトの肉体面(痛みなど)の関連性について
分かりやすく(?)解説された
アメリカのジョンズ・ポプキンス大学の脳科学者である
デビット・リンデン教授の解説を紹介します
痛みの認識は、年中無休で
感覚からもたらされる情報を選別している”脳内回路”によって
形作られたものである
とデビット・リンデン教授は説明しています
同教授によれば
「こりゃあ面白い。今入ってきたこの痛み情報のボリュームを上げよう」
あるいは
「おっと、ボリュームを下げて、あまり注意が向かないようにしよう」
…と痛みを調節することが可能となるそうなんです
確かに、同じような怪我をしても
すごく痛いと感じる人と
たいしたことないと感じる人がいるように
人によって痛みの感じ方が違います
つまり、痛みはコントロール可能であるということだそうです
脳に備わった『痛みをコントロールする能力』を実証する
イラクに従軍した兵士の経験談があります
↓↓↓
2003年、この兵士の部隊が補給物資を積み下ろす最中
敵から襲撃を受け、彼は負傷してしまいました
爆発した金属片が足に突き刺さるほどの大怪我だっだそうですが
なんと彼はそれに気付きもせず仲間に応急処置を施し
安全な場所まで連れて行ったそうです
また、この作業中2回も撃たれ、1発は腕の骨を打ち砕いていました
それでも、この時痛みはほとんど感じなかった
と後に彼は述懐しているそうです
リンデン教授によれば、無我夢中の兵士は痛みを感じないそうです
しかし、窮地を脱した後で、例えば注射などのちょっとしたことで
大きな痛みを感じる場合があると言っています
また、脳は2つの異なる系を用いて
神経末端からもたらされる痛覚情報を処理しているため
痛みの体験に伴う感情も決めることができるそうです
例えば
落ち着きや安心感、他人との繋がりといった
前向きな感情は痛みを最小化することが可能です
逆に否定的な感情はその逆の効果があります
拷問はこの側面を利用してきたものの代表で
苦痛をさらに味あわせるために
屈辱を与えたり、痛みを加えるタイミングを予測できないようにして
痛みの感情的な側面を強化するそうです
最近では2001年のアメリカ同時多発テロの際
CIAの尋問官が、このテクニックを使ったと言われています
脳が痛みの認識を調整する正確な仕組みは
まだ完全には理解されていませんが
米ブラウン大学の研究チームによると
少なくとも、一部の人は瞑想などを行ない
慢性的な痛みを取り除く方法を脳に伝えることが出来る
と示唆しています
2011年に発表された研究でも
8週間に渡る瞑想の訓練を受けることで
痛みを阻害する脳のリズムを
大幅にコントロールできるようになることを証明したそうです
何をやっても、どこへ行っても治らない慢性痛や
何か特定のことをする時に決まって出る痛みなどは
もしかすると感情や心的ストレスや思考が
作り出しているかもしれませんね
21世紀健康館 ろく