☆なぜ最も簡単なはずのPKを失敗するのか?☆
今日は
人の『心(思考・メンタル)』が『体(肉体)』に及ぼす影響について
サッカーの『PK=Penalty Kick』を例にした記事を紹介します
サッカーにおいて恐らく最も簡単にゴールを奪えるのが『PK』
しかし、簡単なはずのPKはなぜ外れるのか
元サッカー選手で現在はスポーツ心理学者である
ゲイル・ヨルデット博士の論文の内容が
『PK~もっとも簡単なはずのゴールはなぜ決まらないのか?~』
で紹介されているそうです
PK失敗につながる”回避行動”とは
サッカーの母国であり
2015年12月時点での世界ランキング9位の強豪イングランド代表が
なぜPK戦でこんなにも負け続けるのか
ヨルデット博士は
データに基づいてスポーツ心理学の見地から
いくつかの理由を挙げています
上の図を見ると
前回まで2回以上PK戦で敗退しているチームの選手のPK成功率は
なんと57%まで下がります
逆に、2回以上勝っているチームの選手の成功率は
89%と高くなります
勝ち癖がつくとチームだけでなく選手個人にもいい影響を及ぼし
結果良いスパイラルとなるが
負け癖は残酷な負のスパイラルとなり
イングランド代表のようにPK戦に滅法弱いチームになってしまうのです
前のPK戦で負けたチームの選手は
たとえ前回個人として成功していたとしても
成功する確率は45%になってしまうというデータもあるそうです
悪い出来事が及ぼすネガティブな影響は
良い出来事が及ぼすポジティブな影響よりはるかに大きい
という研究結果(2011年 ロイ・マイスター博士による論文)もあるように
PK戦にはそれがにじみ出ます
ほとんどのPK戦において
戦績の良いチームと悪いチームとの差が露骨に出ているのです
ヨルデット博士は心理学者の見地から
過緊張になった選手がとる心理的な2つの回避戦略が原因と指摘
普段から所属チームでPKキッカーを任されている選手では心理的影響は少ないが
たまにしかPKを蹴ったことのない選手には
2つの回避戦略が相互に絡み合ってパフォーマンスに影響しているそうです
① 緊張を生む対象から視線をそむける
これは、ぺナルティスポットにボールを置いから
ゴールキーパー(GK)に背を向けて後ろに下がることを指します
上記の表は、ペナルティスポットにボールをセットした後に
GKに背を向けた選手の代表チーム別に比較したもの
これを見ると、イングランドは圧倒的に多いことが分かります
② 早く済ませてしまいたい
GKに背を向ける率がイングランドが突出しているのに加え
『早く済ませてしまいたい』という心理的回避戦略が合わさると
心理的な回避がパフォーマンスに影響することが明白になります
上の表は、審判が笛を吹いてから
ボールを蹴るまでにかかった時間を現したもので
ここでもイングランドは他チームより速いのが分かります
【ボールを受け取り、蹴るまでの時間】
ヨルデット博士によると、極度のプレッシャーを感じているとき
選手は通常よりも2倍の速さで蹴る準備をするそうです
そしてPKを蹴る時に
蹴る準備からボールを主審から受け取って
ぺナルティスポットにボールを置く時間を含めて
比較的早い選手達はかなりの確率でPKを失敗するそうです
このことについては、こんなエピソードがあります
↓↓↓
元オランダ代表の名手、ファン・バステンは
選手のときに100本のPKを成功させているし
1992年には3回目のバロンドール(ヨーロッパ年間最優秀選手賞)を受賞した
サッカー界のスーパースターです
その年のEURO’92準決勝の対デンマークのPK戦で
ファン・バステンは普段よりかなり速くボールをペナルティスポットにセットし
そのPKはセーブされました
また、ワールドカップでPKを外してしまった某選手は当時のことを振り返り
『私の頭にあったのは、さっさと終わらせたいということだけだった』
と自著のなかで言っているそうです
いかがですかこの記事からも
心理的要素が大きく体に影響を及ぼしている
ことが分かっていただけたと思います
体を鍛えたり、技術を磨いたりするだけでなく
思考やメンタル面も鍛える必要があるということですね
このことは、私達一般人にも言える事かと思います
また、最近では
腰痛や手足の痛み、肩こり等と
怒りや心配事などの感情との関係性が
科学的に解明されつつありますし
緊張のあまりお腹が痛くなったり胃が痛くなったりしたことがある方も
少なくないと思います
私達(株)ヒューマンラボジャパンのもう一つの事業部である
ヒューマンサポート事業部では
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21世紀健康館 ろく