香り vol.15
『乳香』という香りをご存知ですか
フランキンセンスとも呼ばれ、東方の三博士がイエス・キリストの生誕に
捧げた3つの贈り物のひとつで、神の象徴としても有名です
古来より祈りや瞑想に欠かせない、心の落ち着きをもたらす甘い香りが特徴で、
止血・鎮痛・筋肉緩和作用を発揮します
外科・整形外科の常用鎮痛薬として、没薬(ミルラ)と併用されることも多くあるようです
そして、乳香の歴史はというと、
シバの女王がソロモン王に贈ったといわれ、砂漠の交易路を通じて、
エルサレム、エジプト、更に地中海を渡ってローマへ、
そしてシルクロードを通じて遥か中国、日本へ運ばれてきたといわれます
世界最古の香料といわれ、南アラビアとソマリアの一部だけに育つ
特殊な木から採取され、その採取方法は、誰も知らない秘密の作業として
採取者の間だけで語り継がれてきたともいわれます
常温では強い香りを放たず、火をつけたときにだけ樹脂が融解して
中の芳香成分が煙と共に立ち上がるとして、価値あるものとなったのです
日本へ入ってきたのは江戸時代
漢方薬として朝鮮半島を経由してきたそうです。
8代将軍徳川吉宗の時代に“兼安祐悦”という口中医師(歯医者)が
『乳香散』という名の歯磨き粉を考案して発売したのが始まり
房州砂に入香の粉を混ぜたものであったといわれています。
抗菌効果のある乳香を配合した抗菌歯磨き粉だったそう
自然の恵みを生かしていたのですね
ところで今日やっと「アバター」を観ました
人と自然との共存・・・
当たり前にある今の環境を今一度考えていきたいなぁと思いながら、
大好きなフランキンセンスの香りについてご紹介させて頂きました
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