☆成長ホルモン その3 ~成長ホルモンと老化~☆
成長ホルモンと老化
健常者でも、成長ホルモンの分泌は30歳前後から
10年単位で13%以上減少し始めるという事を
以前のブログでも紹介しました
つまり、健常者でも多くの方は徐々に
『成人成長ホルモン欠乏症』に至るといえます
年齢と共に成長ホルモン欠乏に由来する症状が出現し
心血管病変を中心とした病変が出現することになります
このため適切な成長ホルモンレベルを保つことは
いわゆる『老化』を抑制することとなるのです
成人成長ホルモン欠乏症と抗加齢療法
成人成長ホルモン欠乏症は
視床下部-下垂体に器質的病変が認められた患者や
頭部放射線照射の既往がある患者
小児期発症の成長ホルモン欠乏症の患者などに認められ
患者には、加齢による老化と非常に共通した症状や病態が認められました
さらに、成長ホルモン補充療法による治療が奏功した事から
成長ホルモンによる『抗加齢療法』が誕生することになりました
成長ホルモン
脳下垂体から分泌される191個のアミノ酸からなる単鎖の蛋白ホルモンで
主として小児期から成人に至る成長期の
身体の発育を促すホルモンとして知られていました
特に、軟骨内骨形成促進による長幹骨の長軸奉方向への伸長
骨量増加、筋肉量増加、性腺発育促進などの働きがあり
この時期に成長ホルモンが欠乏すると発育障害をきたし
低身長になることがよく知られていました
しかし、成長ホルモンは成長期において分泌量のピークを迎え
身体の成長や成熟を促すのみならず、ヒトの成長が終了した後も
分泌量は低下するものの、生涯分泌され続け、蛋白の合成やエネルギー代謝
筋肉や臓器の能力や機能、免疫能等の維持強化、身体的損傷の治癒促進
などにおいても重要な役目を果たす事が分ってきました
成長ホルモンの働き
組織や細胞に対する
『アナボリック作用』と『抗インシュリン作用』に分けられます
アナボリック作用とは肝臓、骨、筋肉、性腺やその他の臓器に対する
タンパク合成促進や細胞増殖促進であり、その作用の多くは
肝臓で生産されるIGF-1(インシュリン様成長因子-1)
を介して発現されます
抗インシュリン作用は
糖質代謝、脂質代謝においてインシュリン作用に拮抗する作用であり
糖代謝においては
種々の段階で血糖値を上げて耐糖能を低下させ
脂質代謝では
中性脂肪を遊離脂肪酸とグリセロールに分解する働きがあります
このような作用によって生体は体脂肪の増加を防ぎ、筋肉や臓器
免疫組織などの体タンパク組織の重量や機能を維持しているのです
また、精神心理的な健康を保持する働きがあることが知られています
さ~て次回の【身体のトリビア】は・・・
『成人成長ホルモン欠乏症』について
お楽しみに~・・・ フンガ・フ・フ~
【身体のトリビア】 ろく でした